ステンレス

錆びに強く、強度も高い金属界の優等生

ステンレス

鉄を主成分(50%以上)として、クロムを添加(10.5%以上)し、低炭素(1.2%以下)の「錆び(stain)にくい(less)」合金です。鉄素材の「錆びやすさ」、「耐熱性」などの弱点を補うために開発されました。材料としての歴史は浅く、発明されてから100年程しか経っていませんが、用途によって様々な元素を添加した鋼種が生み出され、JIS規格だけでも100種類、それ以外も合わせると200種類を超えます。

建築物や日常生活品に広く普及しているステンレスは今後多くの需要が見込まれるでしょう。

JISではステンレスのほとんどの鋼種が「SUS」という名称であり、「サス」と読まれ、最も代表的な「SUS304」は「サスサンマルヨン」と呼ばれるのが一般的です。

ステンレスの加工性について

熱伝導率が低いため、加工時に発生する熱が切り粉に伝わりにくく、低温の切粉がワークに溶着し、切削を妨げます。切り粉に熱が伝わらない分、工具刃先に熱、負担がかかり、摩耗が進行します。また、加工する(応力を加える)ことで硬さが増す(最大400HV程度)加工硬化性もあるため、工具寿命が短くなります。

最も一般的なステンレスであるSUS304は加工硬化を起こしやすいため、SUS304をベースに硫黄を添加し、被削性を向上させたSUS303の方が加工時間を短縮でき、コストを抑えやすい傾向があります。(SUS304でも問題なく対応は可能です。)

当社では、必要によってアニール材(焼鈍材)を使用し、高精度、コスト低減を図りながら対応しております。

※アニール材…残留応力の除去、被削性の向上のために焼きなましをした材料

ステンレスの特性

・非常に錆びにくい

耐食性によって金属を分類した場合、強い不動態皮膜を生成するステンレスは金やプラチナの次に錆びにくいグループに大別されます。 酸素が鉄よりもクロムと結びつきやすい特性があるため、鉄が酸化するよりも先にクロムが酸化し、酸化被膜(不動態皮膜)となって表面を覆います。

 

・強い(機械的強度[引っ張り強さ,耐力]が高い)

鉄を主成分としているため、鉄と同等の強度を持ちます。鋼種によっては焼き入れにより硬度を向上させることも可能です。

 

・極低温でも脆くならない(耐低温性に優れる)

最も優良な低温用材料と言っても過言ではありません。ほとんどの金属では低温状態になると一気に靭性がなくなりますが、とりわけSUS304やSUS316に代表されるオーステナイト系ステンレスは極低温でも靭性の低下が極めて少なく、加えて、温度が低くなるほど引っ張り強さ、耐力が上昇します。 液体窒素(-196℃)、液化天然ガス(LNG:-162℃)などの極低温設備に使用されます。

※靭性…ねばり強さ。靭性がないと衝撃を受けたときに破壊されてしまう。


・耐熱性に優れる

500℃~900℃の高温でも優れた機械的強度を保てる(オーステナイト系以外は500℃を超えると強度が急激に落ちる)ため、自動車マフラー、発電設備、ターボチャージャーなどの部品に使用されます。

 

・保温性に優れる(熱伝導率が低い)

金属は熱が伝わりやすいものが多いですが、ステンレスは、合金中に含まれているクロムやニッケルが分子の動きを妨げるため、熱伝導率が低いです。 保温性が高いため、魔法瓶やタンブラーなどの素材に使用されます。逆を言えば、放熱性が低いため熱をいち早く逃がしたい車のエンジンなどには使用されません。

 

・溶接に向く

鉄と並び溶接の代表的な材料です。鋼種によっては溶接不可のものもありますが、様々な溶接が可能で、仕上がりも美しいです。

ステンレスの処理

・バフ研磨

・電解研磨

・化学研磨

・軟窒化処理(タフトライド処理)

・各種熱処理

(・不動態化処理)

(・ヘアーライン仕上げ)

当社で取り扱うステンレスの種類

オーステナイト系

SUS304に代表される、非磁性で耐食性が他の鋼種より優れており、高温にも強い。最も種類が多く、鉄道車両部品や自動車部品、建築物外装材、食品設備と様々な用途で使用されます。

  • SUS303
  • SUS304
  • SUS316
  • SUS201
  • SUS202
  • SUS301
  • SUS302
  • SUS305
  • SUS309S
  • SUS310S
  • SUS317
  • SUS321
  • SUS347
  • SUS384
  • SUS XM15J1

フェライト系

最も安価なステンレスで「SUS430」が代表的です。低炭素のクロム系の材料で流し台のシンクや家電などに使用されます。強磁性であり、通常焼き鈍しした状態で販売されます。

  • SUS405
  • SUS410L
  • SUS429
  • SUS430
  • SUS430F
  • SUS430LX
  • SUS434
  • SUS436L
  • SUS444
  • SUS447J1
  • SUS XM27

マルテンサイト系

焼き入れすると硬化するステンレス。耐食性と強度、耐摩耗性に優れている。刃物・ベアリングなどに使用されます。

  • SUS403
  • SUS410
  • SUS410S
  • SUS410J1
  • SUS416
  • SUS420J1
  • SUS420J2
  • SUS420F
  • SUS429J1
  • SUS431
  • SUS440

析出硬化系

固溶化処理された柔らかい状態で成形加工した後に時効処理をすると、析出硬化して硬くなります。

Cuの添加で析出硬化性を持たせいている「SUS630」と、Alの添加の「SUS631」の二種類のみとなります。

強度があり、耐食性も高いのですが、高価なために特殊な用途で使用されます。

  • SUS630
  • SUS631
  • 15-5PH(AMS5659)
  • 17-4PH(AMS5643)

二相系

フェライト系とオーステナイト系の性質をあわせ持ち、化学工業プラントなどで使用されます。耐酸性、耐孔食性良好、高強度で耐海水用途。

  • SUS329J1

対応素材

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