さ行

ザグリ

穴の開口部を一段下げるようにして広げる段加工。組付けた際に、ネジやボルトの座りを良くする浅いザグリ、ネジやボルトの頭が出っ張らないようにする深いザグリがある。図面上「SPOT FACING」と記載されることもある。

サブゼロ処理

鉄鋼材料に施す熱処理の一つで、焼き入れした素材をすぐに氷点以下(-60℃~-100℃程度)に再急冷する処理。材料の硬さをさらに上げ、均一化し、寸法を安定させ、耐摩耗性を向上させる。

サブミクロン

1/10,000mm。

三次元測定機

立体を三次元的に測定する測定器。幾何公差は基本的に三次元測定機で測定される。

三点マイクロメータ

内径を測定するための測定具で、内径に対して、3点同時に測定子を当てることで穴径を測定する。その3点で描いた円の寸法が測定値となる。

サンドブラスト

加工物に砂や粒状の研磨剤を吹き付け、表面を研磨したり、梨地処理をしたり、錆除去をしたりする研磨方法。

残留応力

外部負荷が取り除かれた後でも内部に存在(残留)する応力のこと。

ジオメット®(化成処理)

ダクロダイズド処理のクロムフリー代替品として、NOFメタルコーティングス(旧 日本ダクロシャムロック社)が開発した、環境対応型水系完全クロムフリーメッキ。ジオメット®720が確立されており、通常膜厚は8μm。

治具

加工品を固定したり、組立作業などの高精度化、効率化を図る器具または装置。対象物に合わせてオリジナルで作られる。

ジグ研

研磨加工のひとつ。治具研削盤という機械を用い、主軸につけた回転する砥石を穴内径や外形に当てて研磨することでミクロン単位での高精度加工が可能。平面、内径、外径以外の外形部などで輪郭度が要求される箇所に用いることが多い。

磁性体

磁性を帯びる物質のこと。フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系ステンレス、鉄材、ニッケル、コバルトは磁性体であり、アルミニウム、伸銅、、チタン、マグネシウム、オーステナイト系ステンレス(SUS304,316など)は非磁性体である。

質別

金属圧延品の性質に関する仕上げ熱処理(調質)の内容を示す記号。

自動旋盤(自動盤)

主に量産加工に使用される小型の旋盤で、カムや油圧、電気的な構造を使用して、主軸の回転、切り込み、バイトの運動、工作物の切断、供給など加工のすべてを自動で行う旋盤。

磁粉探傷試験(検査)

磁気を利用して、表面きずや表面近傍の傷を検出する方法。鉄やコバルト、ニッケル等の磁石に引き寄せられる強磁性体にのみ適用することができる。協力会社にて対応が可能。

絞り加工

板金加工のひとつで、一枚の金属の板に圧力を加え、絞り込み、凹状に加工し、容器形状にする工法。

シボ塗装

塗装の表面に模様が付いている塗装のこと。カメラのボディなどに用いられる。当社の協力会社で対応が可能。

射出成形

プラスチックなどの樹脂の成型方法の一つである。溶かした樹脂を金型に射出注入し、冷却して所定の形状に成形する。

ショア硬さ(HS)

反発硬さ。一定の高さから試験片にハンマーを落とし、その跳ね上がり高さから数値を計算する。

シム

機械部品の隙間を調整されるために使われるスペーサー。主に1mm以下のものをシムという。

焼鈍(焼き鈍し)

熱処理の一つ。残留応力の除去、被切削性の向上などの目的で用いる処理。熱した鋼材をゆっくり冷やし、柔らかくする。アニール処理、アニーリング、ストレスリリース処理(SR処理)とも呼ばれる。

焼準(焼き準し)

熱処理の一つ。粗大化した金属組織(結晶)を均一化することで残留応力を除去し、靭性機械的性質の向上をする目的で用いる熱処理。熱した鋼材を一般的には空冷する。焼き入れや、焼き鈍し(焼鈍)の前処理として広く用いられる。

ショットブラスト

加工物に鋼粒(ショット=投射材)を吹き付け、表面の錆や汚れを落としたり、表面を均一化したり、塗装の密着性を高めるための下地処理を行う研磨方法。サンドブラストと比べて、一度に大量の研削材を投射できるため、多量の ワークや、大型の ワークにブラスト処理ができるメリットがある。

シロ加工

表面処理を行わない、材料に機械加工のみを行った状態

真円度

幾何学的に正しい円に対してどれだけのずれを許容するかを表す幾何公差

真空注型

小ロットの樹脂部品の製作に用いられる工法。切削、3Dプリンター等で製作したマスターモデル(複製用の型)を真空槽の中に入れ、シリコンを流し込み、真空注型ゴム型を作る。その型に樹脂を流し込み、樹脂製品を複製する成形加工工法。金型と比較して、コストが安い。精度はよくて0.1mm。ゴム型のため、消耗が早く、20個程度までの成形に向く。

浸炭焼き入れ

熱処理の一つ。主に低炭素鋼(約0.2%以下)に浸炭(表面層に炭素を浸透、増加させる)をした後、焼入れ焼戻しをすることにより表面層を硬化させる熱処理。表面は硬く、内部は低炭素鋼の機械的性質を維持して粘り強く仕上げることができる。一般流通している金属ではS15C,S25C,SCM415,SCM420に対して適用される。

靭性(じんせい)

粘り強さのこと。衝撃を受けたときに、硬さがさほど高くない材質でも靭性があると破壊されない。逆にいうと硬さがあっても、靭性がないと破壊されてしまう。引張試験で計測でき、「伸び」「引張強さ」が相対的に高い値であれば「靭性に優れる」と言える。

真鍮

銅に20%以上の亜鉛を加えた銅合金。黄銅。

真直度

幾何学的に正しい直線に対してどれだけのずれを許容するかを表す幾何公差

伸銅

銅、真鍮(銅合金)を塑性加工によって板、条、管、棒、線などの形状に加工すること。

伸銅品

伸銅によって出来上がった製品。

巣(鋳巣)

鋳造品内部に発生する空洞、空孔。溶かした金属(湯)を流すときの圧力不足や、流れの条件不良が原因で発生する。巣は強度低下を招き、製品の安全品質に大きく関わる。鋳巣とも呼ばれ、正式名称は「いす」であるが、「ちゅうす」と広く用いられている。

ステンレス

鉄(Fe)を主成分(50%以上)に、クロム(Cr)を10.5%以上添加した鋼。非常に高い耐食性を持つことが一番の特徴である。耐食性以外にも、耐熱性、加工性、強度など優れた性質を持っており、メンテナンスも容易である。また、100%リサイクルが可能な金属でもあるため、工場設備、厨房、鉄道、家電など世の中のあらゆる製品に使用される。

ストローク

(機械加工において)主軸や刃物台が動き、加工が可能となる範囲。

砂型鋳造

砂で作られた鋳型(鋳物の型)で行う鋳造方法。1個製作するごとに型を壊す必要があるため、1個当たりの単価は高価になるが、金型のような型費はかからず、製作期間も短いことから、大量生産の製品よりも、試作品、量産前試作などの小ロットの生産に向いている。

ズブ焼入れ

焼入液の中に製品を浸漬して全体を焼入れする最も用いられる焼き入れ方法。材料全体が硬化するが、高周波焼き入れなどの表面焼入れ(部分焼入れ)程には表面が硬くならない。

スプライン

動力を伝達するギアで、外側に多数の歯をもつ軸であり、相手方のボスはこれに嵌まるような溝をもっている。多数の歯でトルクを伝達するので、大きい動力の伝達ができる。歯の断面形状により角形スプラインとインボリュートスプラインに分別される。

すり割り

シャフトなどの締め込みを強くするためにクランプ部品などに設けられる貫通した溝形状。主にワイヤーカットにて加工される。

スロッター加工

スロッター盤を使い、穴にキー溝削りの金属加工を行う加工方法。作りたいキー溝のかたちに沿った刃物を上下運動することで切削加工を行う。また、一気に引き抜いて加工するブローチ加工と比較すると、1つの加工に時間がかかる分、大量生産には向いていないという特徴があるが、一つ一つの形状ごとに加工するキー溝の大きさや長さの自由度が高かったり、ブローチ加工では不可能な、内径の止まり穴のキー溝加工も逃げ溝さえあれば行える。

寸法公差

指定した寸法に対してどれだけのずれを許容するか、その上限と下限を示したもの。

スーパーステンレス

一般的なステンレスよりもさらに耐食性や耐熱性を高めた高機能ステンレス。具体的には耐孔食指数(PRE)が40を超えるもの。具体的な鋼種はSUS312L,SUS329J3L,SUS329J4Lなど(参考:SUS304 耐孔食指数18)

析出硬化系ステンレス

熱処理によって高硬度にしたステンレス鋼。SUS630(17-7PH),SUS631(15-5PH)など。

析出硬化処理

固溶化熱処理の後、析出硬化を人工的に行う処理のことをいい、アルミ合金の2000番系、6000番系、7000番系などのT6処理が代表例である。

切削加工

刃物を用いて、材料を削り、必要な形状、寸法、表面状態にする加工法。マシニングセンター、NC旋盤などで加工する。精度が求められる各種精密部品、鋳物製品の後加工(ネジ、座面、精度穴加工など)などに用いられる。

切削性

切削加工性の良し悪し。一般的には、硬い材料(インコネルなど)、柔らかい材料(純アルミなど)、もろい材料(モリブデンなど)は切削性が悪いと言える。

セレーション

軸のまわりにスプラインよりも細かい山形の歯を等間隔につけたもので、細かい軸にボスを固定(滑り止め)する場合に使用される。三角歯セレーションとインボリュートセレーションがある。

染色浸透探傷試験(検査)

染色浸透液を使用し、きずを検出する方法。蛍光浸透探傷に比べて検出感度が低いが、作業自体はスプレーを使用するのみなので、比較的容易に作業できる。カラーチェックと呼ばれる。当社で対応可能。

センター穴

旋盤や円筒研削盤などの加工を行う際に、加工基準とするための穴のこと。 長尺のシャフト形状部品では、片側のみのチャッキングでは加工時に、自重で反対側が振れてしまい、安定的な加工が行えないためセンター穴を設けることが多い。JISによって決められた形状が複数存在するが、一般的には、60°のセンター角を持ち、面取りのないA形という形が用いられることが多い。

センターレス研磨

シャフトなどの丸物で外径をチャック(固定)せずに行う研磨。回転する円状の砥石と砥石の間に工作物を挟み、回転させながら表面の研磨を行う。

旋盤

工作物を回転させ、バイトなどを使用して、外丸削り、中ぐり、突切り、正面削り、ねじ切りなどの加工を行う工作機械。

脆性(ぜいせい)

脆さのこと。靭性の対義語。

全振れ

データム軸周りに部品を回転させたとき、指定された表面全体が指定された方向にどれだけ振れてよいかを表す幾何公差

総形バイト

ワーク形状(輪郭)と加工する刃が同じ形状になるように、専用に成型したバイト。通常、ワークをある形状にする場合、バイトを加工形状に沿って走らせながら切削していく。しかし、加工図と同一の形状・寸法をした総形バイトを使用して加工することで、加工時間の短縮(コスト削減)、特殊形状への対応、つなぎ目のバリの解消などのメリットが得られる。特注の刃物となるため、小ロットでは費用的に向かず、量産で必要とされることが多い傾向にある。

塑性(そせい)

力を加えて変形し、力を取り除いても元の形に戻らず変形が残る性質のこと。加工性(加工しやすさ)に意味が近く、金属は塑性が大きな物質であるために世界中に金属製品が普及したとも言える。対義語は弾性

塑性加工

物質の塑性を利用し、材料に力を加えることによって、目的の形状へ加工すること。加工時間が短く、材料ロスも少ない。プレス、絞り、鋳造、押し出し、圧延、引き抜き、転造などの種類がある。

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