タングステン

「重い石」という意味を持ち、その比重は鉄の約2.5倍(一部加工可)

テレビ番組「ほこ×たて」で取り上げられたことでも有名な硬い素材です。
スウェーデン語で「重い石(tung sten)」という意味を持ち、その比重は鉄の約2.5倍です。

レアメタルに属する金属で比重19.3、融点3,380℃、硬さHRA84~93(HRC67~80相当)と飛びぬけた個性を持つ高融点、高硬度金属です。
切削の面から考えてみると、硬すぎて加工ができません。
英語表記はTungstenのため、元素記号としては「T」や「Tu」が本来適当かと思いますが、元素記号は「W」です。これは、鉱山で錫(すず)鉱石が産出する時にタングステン鉱石も同時に産出することが多く、タングステン鉱石が混入すると錫の精製が阻害され、「狼(wolf)のように」錫をむさぼり食べるというドイツ語のWolframから由来しているようです。

特性

  • 鉄の約2.5倍の比重
    比重19.3
    金と同じ比重
  • ダイヤモンドに次ぐ硬さ
    HRA84~93(HRC67~80相当)
    コバルトを添加した超硬合金は切削工具で使用される
  • 全金属中最も高い融点を持つ
    その温度は3,422℃
  • 極細線に加工出来る
    焼結することにより極細の線材にできる
    フィラメントとして使用

欠点

  • 切削加工に向かない
    硬すぎて、刃が立たない
    ワイヤーカット、ウォータージェット加工、研磨等なら可能
  • 高価
    目安単価100,000円/kg以上

取扱い材料

  • タングステン
  • 銅タングステン
  • トリウム入りタングステン電極
  • セリウム入りタングステン電極
  • ランタナ入りタングステン電極

切削における加工性について

硬すぎて基本的には切削加工が困難となります。
切り粉は、条件が整っているときに見られる流れ型にならず、ほとんど粉体のような切粉が出ます。
現実的な加工方法としては、細穴放電加工、型彫放電加工、ワイヤーカット放電加工、ウォータージェット加工、研磨加工になるかと思います。
当社の切削実績としては、穴あけや先端カットなどの簡単な加工のみとなります。

二次処理

そのまま使用されることが多いため、一般的には行いません。

タングステンの部品用途

切削工具
炉
電球のフィラメント

当社よりコメント

タングステンの切削は基本的にお断りしております。
しかし、放電加工等では対応可能で実績もございますので、お声がけください。

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