銅
抜群の熱、電気伝導性を持つ、柔らかい金属

銅は、元素記号Cu、英語でcopper(カッパー)と呼ばれ、純粋な銅やそれに近いもの(無酸素銅など)を一般的に「銅」、銅に亜鉛などの銅以外の元素を添加した合金を種類ごとに「黄銅、青銅、白銅…」などと呼称しています。
最も大きな特徴は電気伝導性と熱電導性が優れている点です。
さらに、柔らかいため加工性がよく、耐蝕性にも優れます。
一方で高価な材料であるため、普段目にするような構造部品として使用されることはあまりなく、電気、熱電導性の物理的、科学的性質を活かした電線、エアコンの熱交換機、PC・スマートフォンなどの電子機器の基盤部品に用いられます。
銅の加工性について
銅は柔らかい性質を持つため、切削効率がいい素材です。
しかし、その反面粘っこくあり、熱に弱い性質を持ちます。
条件を鑑み、切削抵抗を下げて、熱を抑制し、切削効率を向上させるために、セキダイ工業ではすくい角が大きく、切粉排出性の高いアルミ切削用のノンコーティング刃物を使用しています。
また、チタン、ステンレス、アルミと比較すると腐食は早いため、水溶性より油溶性の切削油での加工が適しています。
銅の特性
・とにかく熱をよく伝える
熱伝導性に優れる代表であるアルミを凌ぎ、電気伝導率同様、銀に次ぐ熱伝導率を有します。
フランス料理などの高級料理を手掛けるシェフの多くは銅製の調理器具を使用しているようです。
・とにかく電気をよく通す
金属中二番目(一番は銀[Ag])の電気伝導率(58.5-59S*m/㎟)を誇り、電子機器にはなくてはならない素材です。
・完全非磁性である
金属で磁石をくっつけても、くっつかない、あるいは磁性を帯びないのは、銅とチタンのみです。
磁気厳禁の測定器には銅が用いられます。
・耐蝕性に優れる
銅は表面に不動態皮膜という錆の一種をつくることで、内部の金属を保護することができます。
腐食を完全に止められはしないものの、十円玉がお酢に触れるとすぐにきれいになるように、かなり低い水準まで抑えることができます。
そのため、銅像や、硬貨(一円以外の全て)に使用されます。また、大昔(青銅器時代)の青銅器や武具が良い状態で発掘されるのもこのためです。
・殺菌・抗菌作用がある
銅イオンの微量金属作用というものに細菌を死滅させる性質があり、O-157やノロウイルスに効果を発揮することが科学的に証明されています。
最近では、新型コロナウイルス接触感染防止グッズとして、銅製のドアオープナーなどが流通しています。
・高価
一般的な金属素材としては、チタン、マグネシウムに次いで高価な材料です。
コストの問題から、大部分が銅で構成されている製品の種類は限られます。
銅の表面処理
・メッキ(電解メッキ、無電解メッキ)
当社で取り扱う銅の種類
- C1020(無酸素銅)
- C1100(タフピッチ銅)
- C1720(ベリリウム銅)
- C2801(真中)
- C3604(カドミレス真中)
- C4641(ネーバル真中)
- C5191(りん青銅)
- C6782(高力真中)
- C5341(快削りん青銅)
- C6191(アルミニウム青銅)
- C14500(快削銅)
- F360(Fe-Cu-Sn)*
- GRIDCOP AL-60*
(アルミナ分散銅) - BeCu25
(ベリリウム銅25合金)
*…調達困難のためご支給お願いします。