インコネル

過酷な使用環境に耐えられるために開発された超耐熱、超耐蝕ニッケル合金

その他の対応素材

インコネル(Inconel®)とはスペシャルメタルズ社(旧インコ社・International Nickel Company)の超耐熱合金の商標であり、ニッケルを主体(50%以上)とし、鉄(Fe)、クロム(Cr)、炭素(C)などの合金成分を添加して、高温特性を特に強化した合金です。

超高温域や、厳しい腐食環境である原子力発電所、火力発電所、ごみ焼却炉、航空機ジェットエンジン、F1のエキゾーストなどに用いられています。インコネル(Inconel®)やハステロイ〈ニッケル基のクロム(Cr)、モリブデン(Mo))などの超耐熱合金〉は、金属材料としてもっとも切削加工の困難な合金に分類されます。

インコネルの加工性について

加工性は悪く、難削材と呼ばれています。理由としては以下の通りです。

 

  • 耐熱性に優れる素材のため、切削抵抗が高く、特殊なコーティングを施した難削材用刃物でも、工具の方が先に熱に負けてしまうため、直ぐに折れてしまう
  • 熱伝導性が悪く、加工中に上がった刃先の温度が下がらないために熱で刃物が弱ってしまうため工具寿命が短くなる
  • 工具材料との親和性が高いため、素材が刃物へ溶着する。そのため、きれいな切粉とならず、仕上げ面が悪くなる
  • 加工硬化が生じやすいため、同じく工具寿命の短命化、仕上げ面の粗化が発生する

 

これらの理由から、加工を積極的に手掛ける会社が少なく、加工を行う会社も基本的に加工条件を公開しなかったりするため、実用的な切削データが他材料と比較して極端に不足しています。そのため、加工時のワーク温度の管理、工具の刃形状、材質の選択、切削条件(回転、送り、工程)の設定、工作機械・コレットチャックの剛性などを手探りで検討していかなくてはいけません。 当社では、様々な条件で加工にトライし、精度や生産性に対しての最適な条件設定を行っています。

インコネルの特性

・高温下での耐酸化性に優れる

高温下では、クロム炭化物が析出し、クロム濃度が低下するため、腐食(酸化)しやすくなります。これを鋭敏化といいます。インコネル(Alloy625)では、650~900℃の温度に50時間放置されても、鋭敏化の傾向をほとんど示しません

 

・卓越した耐食性

合金の能力を高めるために様々な元素を添加しているため、広範囲の厳しい腐食環境に対して優れた耐食性を示します。一般的な腐食環境である、淡水、海水、酸・アルカリ類、薄い大気にもほとんど腐食されません。さらにニッケルとクロムの作用により酸化性の化学薬品や、ニッケルとモリブデンの作用により水素、一酸化炭素、炭酸水素などの還元性の高い(酸化しやすい)雰囲気にも耐食性を発揮します。その他モリブデンにより孔食、隙間腐食への抵抗性を持ち、ニオブによって溶接時における鋭敏化を起こしにくく、割れを防止します。

※雰囲気(ガス)…ガスの加熱により熱処理を行う際に、炉に充填するガスのこと

 

・耐クリープ性(※)に優れる

高温下での持続的な応力による歪みが発生しにくいため(耐クリープ性に優れる)、高温下に長時間さらされ、強度が求められるロケットエンジンやF1™のエキゾーストなどに使用されます。

※耐クリープ性…高温下で荷重をかけ続けることによって変形が起こる現象をクリープ現象といい、その現象の起こりにくさ

インコネルの処理

・(各種熱処理) ※そのまま使用することが多いため一般的ではありません

当社で取り扱うインコネルの種類

Ni基超耐熱合金,純Ni

  • インコネル600 (Alloy600)
  • インコネル625 (Alloy625)
  • インコネル718 (Alloy718)
  • インコネルX750 (AlloyX750)
  • ハステロイ (AlloyX)
  • 純ニッケル

 

Fe基超耐熱合金

  • インコロイ800H(Alloy800H)

 

※その他の材質についても対応可能です。ただし、調達が難しい材料については支給して頂いてのご対応となります。

日本では、大同特殊鋼がスペシャルメタルズ社のインコネルの商標を使用し製造しています。

対応素材

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